鍵屋裏事情

鍵屋の裏事情的なことをこっそりと書いてみたいと思います。

まず、お客さんの気になる料金のことについて書いてみようと思います。
ネットなどで鍵屋の広告をみていると大抵どこも8000円からと書かれていることがあります。特に全国展開している大手の鍵屋だとこの値段になっています。
この値段というのは最低料金です。普通はこれよりももっと料金がかかります。
出張料もとられますし、難易度の高い作業だとその分とられます。
夜間料金も発生します。
そして夜間はスタッフの到着が遅れることがあります。
ホームページには24時間いつでも迅速対応可能などと書かれているかもしれません。しかし、夜間は昼間に比べてスタッフの数も少ないので対応が遅くなることがあるのです。

鍵屋とお客さんの関係について。
鍵屋の仕事は大抵緊急時に対応するものなのでリピーターのお客さんはあまりいません。マンション管理会社や企業、警察などは顔なじみの鍵屋にいつも依頼してくれたりするみたいですが。

そんな中でお客さんも鍵屋に気を使って暑い時にはお茶を出してくれたり、ちょっとしたお菓子を出してくれることもあったりします。
夜作業に行ったらその家の奥さんがお弁当を作ってくれたこともありました。

あと、若いスタッフだったりすると女性のお客さんに連絡先をきかれたりすることもあるらしいです。

下請け

鍵屋に依頼をしてくるのは基本的には企業や一般家庭の人です。
しかし、たまに同業者からの依頼をうけることがあります。
同じような鍵屋さんがスタッフが足りないから代わりに行って欲しいということで頼んでくれるのです。

大体一ヶ月に一度あるかないかという頻度です。全国展開している鍵屋さんの対応エリア外だったり、小さな鍵屋でスタッフが足りない時とかに頼まれます。

仕事がもらえるのは嬉しい事なのですが、下請け仕事の場合、残念ながらマージンが発生するのでもらえるお金も少ないです。同じ仕事をしているのにもらえるお金が少ないとちょっとがっかりしてしまいます。
特に夜遅い時間につかれている時に入ってきたり、今いるところから遠い場所だったりするとやる気がなくなりますね。
渋滞に巻き込まれたりするとさらにイライラします。

それから、こういった下請け仕事が入ってくるのって大抵世間が忙しい時なんですよね。
連休中だったり、年末年始だったり。
あと、大雨や台風、大雪など悪天候の時だったり。
道路も混雑していることが多いんです。

まあ、鍵屋はこのような不測の事態に対応するのが仕事なのでしかたがないのですが。
このような気の進まない仕事でも気持よく終わらせることができたらいいなと思います。

困ったこと

鍵屋の仕事をしているとたまに困ったお客さんに出会うこともあります。

例えば、キャンセル料を払ってくれないお客様にはとても困らされました。

その時は鍵を紛失したので開けて欲しいという依頼でした。
現場に向かっていたところ、鍵が見つかったのでもうこなくていいと言われました。
うちの鍵屋は一度依頼されたらキャンセルの場合にもキャンセル料が発生する仕組みになっています。
ですから、お客様の家まで伺ってインターフォン越しに呼びかけました。
しかし、料金を支払ってもらえませんでした。

たしかに、電話などでキャンセル料や出張料のことは説明していませんでした。しかし、お店のルールではそうなっています。実際、払ってもらっているお客様もいます。

しかたがないので警察に相談してみました。
警察の人は料金の細かい説明を事前に行っていなかった場合には料金が支払われなくても仕方がないと言われてしまいました。

料金関係ではまだあります。
作業が終わった後に支払いをお願いしたら今日は持ち合わせがないから後日支払いたいと言われました。書類にサインをもらって後日支払いの手続きを行ないます。しかし、結局支払われなかったのです。

このような料金トラブルは民事裁判を起こすことも可能ですが、その費用と労力を考えるとそこまでやる必要もないと思って結局うやむやになってしまいます・・・。

トラブルの多い街

対応エリア内でいろいろなところに出張対応するのが鍵屋の仕事ですが、特にトラブルが多いエリアというのがあります。

自分がよく行くのは海の近くのエリアです。
海の近くに昔ながらの街と、そこからちょっと小高いところに20年位前にできた新興住宅地があります。
このあたりでよく鍵の故障の相談を受けるので行くことが多いです。

海沿いにある住宅は鍵が壊れやすいです。
何故かと言うと潮風が一年中ふいてくるので鍵穴に塩がたまってしまうのです。いわゆる塩害というやつです。

エアコンの室外機なんかは、沖縄あたりでは塩害対策仕様になっているものもあったりするようですが、鍵ではそういうものがありません。
ですから、こまめにお手入れをしたり、修理をするしか対策のしようがありません。
適切なお手入れ方法で自分で手入れをしているご家庭も多いようです。
それでもサビや塩害で鍵が動かなくなってしまったと相談してくる人は多いですね。

このようなトラブルは海沿いの家だけに起こるものではありません。
例えば、道路沿いであったり、近くに畑のある家だとホコリが舞いやすいので鍵穴に土埃がたまってしまうことがあります。
特に家の中で換気扇やクーラーを動かしていると外の空気が鍵穴から吸い込まれていきます。それで土埃がたまってしまうのです。
また、ペットを飼っているお宅ではペットの毛などがたまることがあります。